大判例

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仙台高等裁判所秋田支部 昭和25年(う)273号 判決

論旨はいずれも、原判決が被告人の本件犯行は心神耗弱の状態にあつたものと認定しているのは事実の誤認があり、被告人の犯行は心神喪失の状態にあつたと主張するが、本件の被害者の一人である石田米蔵は原審の証拠調期日に、その時被告人は訳の判らないほど酔つてはいなかつたと思う。何故かといえば、逃げる時は相当早かつたと証言し、このことは、同様証人伊多波三次郎においても証言しているし、また、原審公廷における証人伊多波久吉の証言からみると、被告人は本件犯行直後、附近の伊多波久吉方に救いを求めて同家で眼の傷の手当をうけたのであるが、その際の模様、また、伊多波久吉が被告人を家まで送つていくと、途中まで行つた折被告人は道も判つている大丈夫だというので、途中から一人で帰したが、被告人は酔つてはいたが、いうことも、わけの判らん程でもなく、支えてやらなくとも一人で歩けたということが明かで、それらを考え合せると、被告人は本件犯行当時飲酒酩酊のあまり、心神耗弱の状態にあつたものとは認められるが、しかし、心神喪失の状態にあつたものとは認められない。したがつて、その主張を排斥した原判決は相当であつて、所論の非難は当らない。

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